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under-10開発物語
長文でごめんなさい。
代表:安井秀治
ナチュラルシリーズ編
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私が20代後半のころと言えば美容師として悩みも多く、行き詰まり、そして人間関係にも非常に苦労した時期でした。多くて悩んでいた髪がごっそり減り、半分くらいにはなったと思います。おまけにくせ毛の私はストレートパーマのかけすぎで髪もボロボロ。 髪は痛むし、抜けるし、最悪のコンディションです。
さすがにこれはヤバイ、と思いました。 「少し減ってちょうどいいんじゃない?」、と回りは慰めてくれますが、ここで止まる保障はありません。というか、何もしなければ進行していくに決まっています。
そのとき同じ悩みを持つ後輩があるシャンプーを奨めてくれました。天然系成分主体でできている髪にも地肌にも優しいといわれるシャンプーで、当時は芸能人で使ってる人も多かった製品です。。私は「これはすばらしい!」と感激し、早速使い始めました。そしてサロンを独立後は販売取り扱いを開始し、お客様にもお奨めしました。
しかし、しばらくして幾つかの疑問が生じてきたのです・・・
まずはここまで安全を追求していながら、どうして表示指定成分の「パラベン、香料」は使用するのだろう、という事でした。中途半端なこだわりに思えてきたのです。
防腐剤は入れないと腐るのかもしれませんが、香料なんて本当に必要なんだろうか・・・
しかし、他を探しても、他の成分は天然系だとしても香料も防腐剤すら入れない製品は見当たりません。 一体どうしてなんだろう、という疑問は払拭できないままです。
そこから私の研究は始まりました。母(美容師です。)の代からお世話になっている美容メーカー、「アスター」なら、長い付き合いだし、裏事情でも教えてくれるのでは・・・
思い切ってこの際、自分で作ってみるか!!
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私 「なぜどの製品にもパラベンが入っているのですか。」
アスター 「そりゃパラベン入れないと腐るやないですか。」
私 「なぜどの製品にも香料が入っているのですか。」
アスター 「そりゃ香料入れないと原料臭がするやないですか。」 |
なるほど・・・ 分かりやすい。それなら、とばかりに・・・
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私 「腐ってもいいからパラベン入れないで作ってもらえませんか?」
アスター 「はあ??」
私 「そして、香料も抜きで作ってもらえませんか?」
アスター 「・・・そりゃまあ、作れと言われれば作りますが・・・」 |
よし、現存のメーカーが中途半端にしかこだわらないなら、私がこだわってやろう。原料辞典を買い、例のシャンプーをモデルに研究、それぞれの成分の特長も勉強し、他にもいい成分がないか調べまくりました。そしてついに使用する原料を全て決定し、「防腐剤」も「香料」も無添加の、表示指定成分無添加、100%天然シャンプー試作品の製造にたどり着いたのです。
と、まあ、意気込みは良かったのですが、出来上がってきた試作品1号は「泡立たない」「微妙に臭い」という代物。理想だけでかき集めた原料で作ったので製品バランスがめちゃくちゃです。
しかしそれをはるかに上回る疑問が湧き上がって来たのです。
そのシャンプーを奨めてくれた例の後輩は、崇拝しながらそのメーカーで一番高い製品を使っているのに、常に油っぽく、フケが多いのです。お世辞にも髪が多いと言えない彼はますます薄くなっているような気すらするのです・・・
一体どうしてなんだろう。合成洗剤、石油系界面活性剤を使っていない、アミノ酸のシャンプーは髪にも地肌にも優しいはずなのに・・・ 安物のシャンプーと違って変な合成ポリーマーもシリコンも使っておらず、良質な天然オイルで髪を守る。防腐剤と香料以外は文句なしだと信じていたのに・・・
私は育毛剤を作っている会社を呼び、その疑問をぶつけてみました。そして大きな壁にぶつかる事になるのです。
なんと、「必要以上の油脂は脱毛を引き起こす大きな原因になる」
というではないですか。そう、あの高価なリンス要らずのシャンプーは、髪に優しくするために「天然油脂」がしっかり配合されていて、洗いあがりもしっとり。地肌にも髪もすごくヌメりが残るのです。髪はぜんぜんもつれず、洗い上がりも静電気もおこらず、サラサラなのです。しかし、これでは髪に優しいシャンプーとは言えますが、仮に頭皮に刺激がなくても、毛根の働きを鈍らせてしまうではないですか!!第一、洗浄力が弱すぎて油っぽい人だと汚れを落としきれていない。 汚れを落としきれていないのに、それに油脂を足すなんて・・・
いままでは生えている髪のことしか考えていなかったのです。未来の髪を考えないと、完璧な製品にはならない!
毛穴に詰まった油脂は、毛母細胞の運動に必要な酸素を遮断してしまうのです。
ここまで来て初めて分かったこと。それは
「髪にいいシャンプーと毛根にいいシャンプーは同じではない!」
そしてこれが本当のスタートでした。
だって私は美容師。私の髪も痛んでいる。髪に良くないシャンプーなど美容師の命に代えても作りたくない。しかし、いくら今生えている髪に優しくても毛根が快適に働けるコンディションを作らないと意味なんてありません。
しかし、頭皮と髪に油脂を残す設計のシャンプーは作るわけにはいきません。もう一度振り出しに戻り、成分の勉強です。
そもそも、油脂が問題なのです。髪には必要で、頭皮には不要。これは困ったものです。油脂以外で、髪を保護できて、毛根にも弊害のない成分はないのか・・・
しかし、なぜ油分が髪に必要なんだろう・・・ そりゃ、髪に必要な「水分」を逃がさないため。そんなことは分かっています。
そうだ!要は水分なんだ。髪に直接必要なのは油ではなくて水だ!
そして出会った成分が皆さんも良くご存知の天然保湿剤、「ヒアルロン酸」です。
人体からも常に湿っている眼球や、粘膜からにはこのヒアルロン酸が含まれており、1gで6000ccの水を保湿できるという優れもの。はじめて見る原料のヒアルロン酸は白い顆粒状でした。鶏のとさかから作るのだそうです。
しかもヒアルロン酸は化粧水に良く使われる原料。酸素の透過性も非常によく、毛根の呼吸を妨げることはありません。
私「これだ。早速これを使って試作品を・・・」
しかしまたハードルが・・・
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アスター「ポリマーも入れず・・・油脂はごく少量で・・・ ヒアルロン酸、こんなに入れますのん?」
私「そうです。ヒアルロン酸が髪や頭皮に残る位入れたいんです。」
アスター「・・・ヒアルロン酸たくさん入れたらシャンプーが糸引きまっせ。」
私「別に糸引いてもかまいませんが・・・」
アスター「ヒアルロン酸たくさん入れたら、シャンプーが白濁しまっせ。予定では紫紺エキスのキレイなピンク色やのに」
私「白濁してもかまいませんが。別にキレイな色にするために紫紺入れるわけではないので・・・」
アスター「つまり・・・ ヒアルロン酸、こんなに入れたら目が飛び出るくらい高いでっせ!!」
私「ひええええ!! じゃあ、減らすべきですか?」
アスター「まあ、ほんの少し入れたら、ちゃんと、入れたと書けますから」
私「効果がないでしょう、それじゃあ」
アスター「そりゃあまあ・・・」
私「それじゃあ、材料費が高くなったら、高く売るから入れましょう」
アスター「高くして売れますのんか???」
私「・・・ わからんなあ・・・」
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かくして髪の保湿をオイルに代わってヒアルロン酸がするという超贅沢シャンプーの試作品が出来上がるのです。
髪の洗いあがりもよく、頭皮もスッキリするし、これはいける! 特に髪。乾かしたあとでも潤いがあり、パサパサにならない!こんなコンディションが保てるシャンプーは他では売っていないぞ!!
しかし・・・ 無香料では、毎日使っているとこの微妙な原料臭がどうも・・
どうしても臭い。わずかな臭いだが臭い・・・
我慢して使うシャンプーなんて長い間使用継続できるのか・・・
そしてまたアスターに相談です。
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私「臭いがどうも・・・」
アスター「そりゃ無香料ゆうたらこんなもんですわ。」
私「そしたら・・・香料はいれないで、いい香りの原料入れましょう」
アスター「そんなもん、ありまへんで」
私「ラベンダー香料を入れないでラベンダーそのものを入れるとか」
アスター「・・・一体このシャンプー幾らで売るつもりですのん?」
私「高いですか?」
アスター「普通の香料の1000倍以上しまっせ。
香り成分だけで普通にシャンプー1本作れますわ。」
私「じゃあ、入れましょ」
アスター「香料にそこまでやりますのん?」
私「これはね、もう趣味だから・・・」 |
しかし天然成分のラベンダーはどうも臭いがイマイチでした。そこで見つけたのがオレンジ。みかんの皮から取れるエキスです。しかし今度は駄菓子屋のみかん水みたいな臭いです。お菓子じゃないんだから・・・
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私「もっといいにおいの原料ないですかね」
アスター「天然原料なんてこんなもんですわ」
私「それじゃあ、ラベンダーとオレンジ混ぜましょか。」
アスター「ええ??きっととんでもない臭いになりまっせ」 |
しかし!!! あきらめの悪い私は、ラベンダーとオレンジをある比率で混ぜると絶妙な香りになることを発見したのです。
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発売から10年、
すっかりロングセラーになりました。
しかし、当時の構想期間は実に1年6ヶ月、
試作品の数も30を超えました。
苦労の上に完成したのが
under-10の、ナチュラルシリーズ。
腐りやすい製品なので100ml
パッケージで販売しています。 |  |
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